水に浮かぶ巨石~高砂市「石の宝殿」!~その3
この巨大構造物の謎を解明するため、2005年から2006年にかけて高砂市教育委員会と大手前大学史学研究所が共同して周囲の山塊も含めた3次元レーザ形状計測を実施した。
正当な大学もこの摩訶不思議な構造物に対して真正面から解明を試みるというのは、好感を持てる。
残念ながら、インターネット上に報告書は検索できなかったが、機会があれば閲覧したい。
石の宝殿は竜山石と呼ばれる凝灰岩の岩山を削って切り出している。
凝灰岩と言えば、イースター島のモアイ像も凝灰岩で造られている。比較的柔らかく加工しやすい石だ。
そして、この巨大な構造物を削り出すときに発生した大量の石屑は実は、一里北の高御位山の山頂に運ばれているのです。
高御位山には石切り場の跡がなく、恐らく石の宝殿の造営で出た石屑だろうと言われています。
水中に浮いているようみ見えるこの巨大な石造構造物の「石の宝殿」は底部を覗き込むと何と深く切れ込みがあります。
四方にありますのでこの巨石は岩盤と一体化されているのではなく、もしかすると既に切り離されており「岩盤の台座に乗っている」だけかもしれません。
先日講演で伺った石工の左野勝司さんのお話では、日本で最大の重量を上がられるクレーンはタダノのクレーンで550トンを持ち上げられるそうです。
もし、この石の宝殿を持ち上げることができれば、また新たな知見が得られるのではないでしょうか?
記紀の時代ですら既に神話(大国主命、少彦名命)の時代に神様が作ったとしか伝承がないこの摩訶不思議な構造物。
古墳時代の石棺、石槨だという学説は主流であり、多いですが、古墳時代に500トンもの石を運べる訳もなく謎は深まるばかりです。
知人の情報によると六甲山にも「石の宝殿」があり緯度は全く一緒。つまり東西線に位置するという話もあります。
そうすると、やはりもともと運ぶという目的ではなく、「この地・この場所」に造ることが意味があったのではと思えてくる。
この「日本三奇」に称される巨大構造物、あなたはどう想像し、考察しますか?
この技術の謎を解いた時、閉塞感に捉われる現代の技術・経済・環境の諸問題をブレークスルーする鍵が隠されている。
そんな、気がします。
水に浮かぶ巨石~高砂市「石の宝殿」! おしまい。