黄金の都 南米シカン文明

おとどし愛媛県美術館に「黄金の都 シカン展」を見学に行きました。

月の神殿”の名前を持つシカンは、ペルー北部海岸地域で隆盛を誇った古代文明で、有名なインカ帝国(ペルー南部山岳地帯)のルーツとも言われています。

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  黄金の仮面

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シカンの儀式用の黄金のナイフ・トゥミ
シカンを発掘したのは日本人考古学者・島田泉教授(米国南イリノイ大学)です。

島田教授は、まだ、南部に比べ研究も注目度も手薄だった北部で、シカンの調査・研究・発掘を開始したのです。

それから30年、シカン文明の高度な金加工技術や、型枠から高品質な大量の土器を製造する技術やその社会組織が知られるようになりました。

シカンは早期、中期、後期シカン文明に分けられ、その中でも黄金期と言われるのは中期シカン文明です。

私が印象に残ったのは黄金の金細工も素晴らしいのですが、それまであまり知らなかった”黒色光沢土器”の美しさです。

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注ぎ口につり目のアーモンドアイを持つ、シカン神を装飾したそれらの土器の出来栄えは素晴らしかったです。

埋葬品としてミニチュアが沢山あるのも、埴輪に少し似ているかなと思いました。

また、調査手法で現在の科学知識をフルに活用して(分野を絞らず)学際的に行われていることも共感しました。

化学者、地質学者、生物学者など。。

GPSやDNA解析、地中探査レーダ、放射線炭素同位法。。

DNAでは、骨などから採取したミトコンドリアDNA解析でシカン文明は6つのグループに分かれていたことなどが判っています。

GPSは、位置測定で利用します。砂漠で墳墓やピラミッドの主要なポイントを測位して行きます。

私もGPSを入手して、巨石群の位置、方位測定に利用したいと考えています。

地中探査レーダは道具もさることながらデータを解析する知識・ノウハウが必用になります。

写真に写っていたレーダ技師は、6年前に神戸で同宿させていただきいろいろとエピソードなどを聞かせていただいた方でした。

世界20か国を渡り留きエジプトの王家の谷、インドのインダス文明、南米シカン文明などの発掘調査に従事したテラ・インフォメーションエンジニアリングの渡辺広勝さんです。

その渡辺さんが今年(2013年)の4月に白石の鼻巨石群を見学に来ていただきました。(その時の話はまた、別途。。。)

発掘チームは発掘時の様子をスケッチして残すわけですが、その精密なデッサンは美術家を思わせるものです。

感動しました。^^;

また、そのチームにはで行われますが、料理人から発掘作業のスペシャリストたちまでチームの士気を統一しながら行うことの大切であるということ。

ほんと地道な作業が毎日続くのでしょう。

そして、地元の住民の理解、コミニュケーションが円滑になされていないと満足な成果は出せないということが良くわかりました。

考古学は、現在の生活には、何の役に立たないのではないか?という質問もあるかと思いますが、キャプションに書かれていたコメントに強く共感しました。

我々は一体何者なのか? 我々はどこから来たのか? そして、どこへ行くのか?

究極の人類に対する質問。永遠に答えは出るのかどうか判りませんが、「過去を知ることで、現在、そして未来を知ること」に繋がる。

そういう風に私は感じます。

黄金のシカン文明、出土品も素晴らしいですが、発掘に到るまでのエピソードも大変、興味深いものでした。

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